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やじさんの「調布わくステ」ご案内




◆「調布わくわくステーション」     2007年10月7日のお客さま◆

染織家(文化女子大学教授)      佐藤 百合子さん

戦前ころまで、先端に針の付いた竹ひごを数十センチ間隔に張った 帯状の布を、日に干している光景を見かけることは、調布の郷でも それほど珍しいことではありませんでした。その頃、「染めもの」は 多くの家庭で時折は行われていたのだと思います。

これは、たぶん着物の再利用のための染色か、家庭で織った絹地の 染色の風景で、着物を着る機会が減り、養蚕が廃れた戦後はほとんど 見かけなくなりました。

現代の染色は工芸家を中心に、手芸、趣味の世界に裾野を広げて いて、古典的な様式を越えた、新しいデザインや技法が生まれている ようです。

佐藤さんの作品は主として「型染め」のようです。頭に浮かんだ イメージを形のある草稿にまとめ、それを型紙に写し、切り抜いて オリジナルの型をつくります。
「模様から模様をつくらず」の教えを尊ぶ佐藤さんは、清楚な和風の デザインや、釣り、踊り、波など動きをイメージした現代的なデザインの 作品など、多くの創作を発表しています。

佐藤さんは、早くから油絵や日本画を勉強し、上村松園などの絵が 好きだったそうですが、大学では、「ものづくり」をやりたいと染色の道を 選んだようです。

ものづくりは、最初は楽しいものだったと思われます。ところが、目が 肥えてくると、自分の作品になかなか満足できなくなり、そこに、染色の 奥深い魅力を感じ取ったようです。

佐藤さんはおっしゃっています、「楽しくできるものなら いつでもでき ます」と。楽しいだけでなく、努力、挑戦があって、はじめて進歩がある と云う意味だと思います。

「どうしたら続けられるか」を考え、子育て中も染色をやめなかった佐藤 さん、「目的があるなら、夢をなくさないで」と、若いお母さんに伝えたい とおっしゃっていました。

佐藤さんの作品には、10月20日から上野の東京都美術館で開催される 「新匠工芸会公募展」でお目にかかることができます。 (注)新匠工芸会公募展は10/19〜10/30との情報もあります。  

                       

written by yaji

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