◆「調布わくわくステーション」 2007年12月2日のお客さま◆
エッセイスト・作家・ポプリ研究家の
熊井 明子 さん
熊井さんのお話の、あるいは生きる中心にあるのは、すでに前回
登場したポプリと夫・啓さんと自分、それにシェクスピアなのでしょう。
彼(啓さん)に認められたくて、翻訳でもインタビューでも何でもと、
がむしゃらに仕事にとびついていたのですが、結婚後10年ほどの
ある日、突然、彼が病に倒れてしまう。
仕事ができなくなって、彼は二人の生き方を振り返ったのでしょう。
明子さんに対して、ごりごり仕事を増やさないで、「自分のテーマを
見つけ、もっと自分を大事に、自分のためになる仕事をしなさい」と、
病の床から諭されます。その言葉が明子さんの目を覚ましてくれた
そうです。
こうして、熊井さんはポプリの研究や創作に努め、やがてシェクス
ピアものの連作がスタートすることになります。「シェクスピアの故郷」
の後、人間シェクスピアへの関心から彼の奥さんへと思いを巡らせて
「シェクスピアの妻」を、さらに「今に生きるシェクスピア」へと続きます。
やがて活動を再開した啓監督と明子さんは、夫々の作品の中身で
相手を必要とする幸せなカップルになります。「自分を確立しつつ、
彼の力になりたい」の夢が実現する、実り豊かな年月が流れたよう
です。2000年に”写真、文・熊井明子”で出版された「シェクスピアの
故郷」が、今度は写真を新たにし”写真・熊井啓、文・熊井明子”で
再上梓されると、嬉しそうに熊井さんが話していらっしゃいました。
・・・引きずり込まれるような、よいお話を伺える2週間となりますね。
written by yaji