◆「調布わくわくステーション」 2008年12月7日のお客さま◆
調布銀座の工藤優鳥園 | 工藤 尚子 さん |
昔、調布駅が市役所前通りの西側にあった頃、改札を出た右手が
工藤さんのお店でした。調布銀座の南端です。現在の場所に駅が
移転するのに伴い、小鳥好きの先代が小鳥屋さんに商売
替えしたのは50年以上昔の昭和29年。まだ日本が豊かになる前で、
ペットブームの時代など想像もできなかった頃ですから、ずいぶん
思い切った決断だったでしょう。
当時、多感な中学生だった尚子さんは、お姉さんたち以上に、小鳥
たちに惹かれたことでしょう。お父さんの手伝いで、小鳥に餌を与える
喜びを覚え、やがて家の事情でお父さんの後を継ぐ道を選ぶことになった
のは、自然だったのかも知れません。でも尚子さんは、鳥好きだった
からと言うより、今は天職と思っているそうです。
20〜30種類、数百羽の小鳥の声に毎日囲まれた生活・・・夢のように
聞こえますが、よいことばかりではなさそうです。1日餌を与えないと
小鳥は死んでしまうので、泊まりがけの旅行はできないそうです。
「衝動買いはだめ。生き物を飼う人は、愛情と責任を持って!」と、尚子
さん。また、世間には、小鳥の鳴き声を騒音と言う人もいるようで、飼え
なくなったお客様も何人かいるそうです。
最近の餌の高騰は悩みの種とか。その上農薬問題の影響で、国産
志向が強まり、国産品の入手が大変になっているようで、工藤優鳥園
でも、ひえに加えて、最近はキビやアワの契約栽培も始めたそうです。
親孝行などない種族なのに、親鳥は一方的に雛の面倒をみるが、
一度巣立ちした後は、子を追い返すほど厳しい態度を示すそうです。
だから、「鳥たちには“空の巣症候群”のようなものはありません。」と、
工藤さん。小鳥たちに教えられますね。
written by yaji